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私メ店長矢野は、今から30年前にこのギター業界に入りました。
その頃のギターと今のギターを見比べますと、デザインや塗装、パーツなど当時とは比べ物にならないくらい多岐にわたって、たいへん豊富な種類が市場にあふれております。
パーツの精度は良くなって価格も安くなり、ネット環境の普及から情報も得やすく、なおかつ安価でゲットできる良い時代になっています。
しかしながら、エレキギターも他の工業製品と同じく日本国内で製造されることは少なくなり、海外で企画・製造されたギターが多くなってまいりました。
先ほど申しあげましたように、パーツや塗装も良くなり、一見見た目は華やかで美しいギターなのですが、ナットやフレットなどの演奏に関わるもっとも重要な部分にもっと力を注いでもらいたいものだと思います。
特にフレットのエッジ(両サイド)の仕上げは粗雑で引っかかりがあり、コードワークならともかく、フレットを大きく上下するスライドプレイや、クラシカルリックには欠かせないリニアなフィンガリング時には、ケガをするのではないかと感じるほどであります。
フレットの飛び出す原因には、ネック自体のシーズニングが甘く、製品化されてから楽器店内の環境(乾燥)によって木が痩せてフレットが飛び出してくる場合もあれば、そもそもの製造時に仕上げが粗雑なのに、そのまま出荷される場合もございます。 当店ではこの状態を
「箱出しままの現実」 と呼んでおります。
さて、初心者用の安価なモデルはダメとか、逆に最初に高価なモデルを買ったのでボクはギターを続けてこられた、という話を聞くことがあります。
どちらも事実ではありますが、やはりギターを楽しんで上達するには値段でも機種でもなく、練習しかないと私は考えております。
その練習に耐えるギターとしてブランドや価格ではなく、ギターのコンディションを第一に考えるべきではないでしょうか。
すなわち、ネックの反りやネックの角度、そして傾き、弦表面の均一化(弦ツラを合わせる)、そしてフレットの面とフレットサイド、なおかつ先ほど申しあげましたフレットエッジの滑らかな仕上げが日々の猛練習を支えライブでの成功へと導いていくものと信じます。
今一度、あなたのお持ちのギターのチェックをされてみてはいかがでしょうか? それは常日頃私が店頭でおこなっております簡単な5つのチェックポイントを見ることでギターのコンディションを判断することができます。
1.ネックの反りのチェック
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6弦1フレットを左手人さし指で押さえます。 次に、同じ6弦15フレットを右手親指で押さえます。
この状態で右手中指で7フレットあたりを軽くタッチして、フレットと弦の間の隙間を見ます。
これは順反りか逆反りかを判断するためです。
弦がフレットに密着するほどでなく、軽くパチパチと隙間が感じられる程度が最適ですが、私などはほとんど音がしないくらいに真っすぐに(むしろ逆反り気味に)セットしております。
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2.ナットの角のチェック
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細かいところですが、ナットの6弦側と1弦側の両サイドの角の仕上げを見ます。
ここが丸く丁寧に仕上げられておりませんと親指の付け根が当たって不快であります。
この部分もチェックしておくとベストです。
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3.フレット表面のチェック
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次に、コードワークのみのプレイならば、さほど気にならないかもしれませんが、ソロ時、特にチョーキングやビブラートをかけたときにフレット面が暴れているとプレイに支障をきたします。
なによりもザラザラとして不快ですし、せっかく新品弦を張ってもあっという間に弦が傷んでしまいますので、フレット面はツルツルに仕上げられているのがベストです。
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4.フレットエッジのチェック
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フレットの両サイドを指でなぞってみてください。 サイド面だけでなく、ちょうどフレットの角の部分もなぞってみてください。 引っ掛かりやバリがないのがベストです。
特にセットネックのレスポールタイプのギターの場合、結構高価なギターであっても丁寧な仕上げがなされていない場合があるので注意して見ておきましょう。
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5.オクターブチェック
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12フレット上のハーモニクス音と12フレットを押さえた時の実音は合っていますか?
一般的にオクターブを合わせる場合、ブリッジを動かして云々…とサラリと解説されておりますが、実際はネックの反りや傾き、そして角度、ナットの溝、そしてそもそものビルド(組み立て)の善し悪しにも起因する問題ですので、この部分はあまり神経質になる必要はありません。
だいたい合っていればオッケーと私は考えています。
人によって押弦の力の入れ具合は違いますし、たとえばストップテイルピースだけのレスポールジュニアやビンテージテレキャスターの3Wayブリッジなど、そもそも合わせるのが構造的にムリなギターも存在するからです。
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上記に順を追ってご説明した動画をご用意しております。

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