皆さん、よーく見てください。選び方じゃなくって「運び方」です。 中古ギターの運び方?「そんなのどーだってイイだろ!」って? そりゃそうですけど、ギター関係のHPで「ギターの運び方」にまで言及してるのって、あんましないと思います。 ま、つきあってやってくださいナ。
初に言っとくと、ケースはハードケースにしろソフトケースにしろ運搬用であって保管箱ではないということです。ギターの保管って神経使いますね。 機会を改めて「中古ギターの仕舞い方」もアップしますね(もういいよ)。
さて、ハードケースに入れて持ち運ぶのが「安全」であるかのように言われているが、バタリと倒してしまった時のことを考えると、ソフトケースに入れてた方が衝撃が分散されて、ネック折れなどの事故が少ないように思う。
また、電車やバスなんかで移動する時には、あのハードケースの重さと持ちにくさには閉口してしまう。
そこで一般的にソフトケースとなるのだが、当然ギターと同じでピンからキリまであるので、私なりにソフケースの選び方の注意点を解説してみたい。
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写真のは80年代のESPの姉妹ブランド「ZEPⅡ」のソフトケースであるが、これを例にとって話をススメてみよう。
最近はこの「合皮ケース」が少なくなってきたようである。 420デニールナイロン地のソフトケースが主流だ。 ウチの店でもナイロンケースを販売用に用意させてもらっているが、私なりのこだわりで選んだケースなので参考にしてもらいたい。
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さて、ソフトケース(以下SCと略す)には、たいがい写真のような小物入れがついているが、上ブタのマチが広く、容量自体も大きいものを選ぶべきだ。
私の使っているものは、「広辞苑」がスッポリ入ってしまうほどの大きさである。これだと身の回りのものを一式入れておけるので、荷物がひとつですむのだ。
最近見たのに携帯電話用の小袋が付いたのがあったが、あれって便利なんだろうか? |
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写真はケースの底の部分を写したものである。
このように底を保護するためのポッチリ(?)がついたものが良い。 壁などに立てかけて置くことの多いSCは、底の部分が痛みやすいので頑丈にこしたことはない。
私などは地べたに置くのがイヤな神経質な性質なので、立ってるときは靴の上にケースを置いている
(ヘンなの)。そのせいか、底が破けたり抜けたりといったトラブルは1度もないが、中古で引き取ったギターのケースにはココの所がダメになってるのが多い。 |
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次はストラップを見てみよう。
立派なケースでもここんとこがチャチイのが多いので、要注意。また金具だけでなく、取り付けられているあて布のほうの強度にも注意が必要だ。 ついでに縫製もていねいか見ておくとよい。
また、ストラップのネジレがない、フックの部分がリングを介して自由に回転するものが望ましい。 |
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ストラップの肩当てにも注目。
ここが細かったりしてチャチなものだと、肩が痛くて不快だ。 一般的にSCに付いているストラップはオマケみたいなのが多いので旅行用品店などで、ストラップのみを買い求めるのも良かろう。 |
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手提げ用のハンドルもしっかり作られているモノを選ぶ。また持ったとき痛くないよう設計されているかもチェック。
ペナペナのオマケのSCの中には、ワイヤーに布を巻いてるダケの粗悪なものが多いので、こんなのはポイしてちゃんとしたのを買おう! |
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次は中身に目を向けてみよう。
写真はちょうどギターのヘッドのあたる部分であるが、革などで補強されていると、弦の端がケースを突き破って出てこないので安心である。
また、ケースに使われているパンヤ(クッション材)も、しっかりしたものが使われているか確かめておこう。
内張りの材質によっては湿度などで、ギターにベッタリと起毛がくっついてしまうのもあるので気を付けたい。 SCではなく、ハードケースでUSAフェンダーのアニバーサリー付属のケースはまさにコレで、ケース内の起毛がギターに焼付いてしまい泣きを見てるユーザーが多い。
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見落としがちなのがケース内の底の部分。
いちばん荷重がかかるところでもあるし、ストラップピンで痛みやすいので、タオルを一枚敷いておくと良い。
クッション性に優れるという理由で、発泡スチロールやスポンジといったものも良いように思われるが、これもギターがラッカー塗装だと焼付いてしまうので、やめておいたほうがよいだろう。 このタオルにキティちゃんとかのキャラクターものを敷いておくと、たまたまスタジオでそれを見たギャルバンの女の子に「や、やばいかも...。」と蔑みの眼差しで見られるので注意。 |
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最後に担ぎ方を伝授しておこう。
写真のような感じで「後ろ側に背負う」のが一般的だが、私はあまりコレをお薦めしない。 理由は人ごみの中で引っかかり易いのと、何よりも田舎クサイような感じがするからだ。 また、自転車やバイクに乗ったときなど、不安定でキケンですらある。
なら、どー持てと言うんだ?
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おススメなのはストラップを肩の後ろに掛けて「ギターを抱くように持つ」のだ。
これだとギターがブラブラしないので安定するし、やってみると分かるが自転車、バイクでの移動の時、安定性が各段にUPする。
ただし、担いだ方の視界が悪くなるのでクルマに注意すること。
この持ち方に変えた途端に、ギターの腕前が上がったように感じるられるから不思議だ。 |
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以上イロイロと能書きを垂れてきたが、最近ワタシが気に入ってる運び方は、写真のように紙袋にそのままいれてしまう
(どっかから盗んできたみたいや!)といった方法だ。
これだとスタジオなんかでも、あっという間にセッティングできてしまうし帰る時だって一瞬の早ワザだ。
また、シールドやストラップなどの道具一式をいっしょくたに入れておけるのもいい。
ネックが飛び出てるのでカッコ悪いと感じる方もいるだろうが、映画「クロスロード」でもスポーツバッグにテレキャスを突っ込んでるシーンがあったのと、まぁ同じと考えればよかろう。
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老婆心ながら付け加えておくと、袋は二重にして外側をビニール製にすると完璧である。 そんな無茶なっ!と憤りを通りこしてあきれ顔の皆さんの表情は想像に難くないが、こういったアブナっかしい状態で持つことにより、よりいっそうの安全を心がけるようになり、愛機との一体感がいやがうえにもUPするという按配である。
それがフレーズへと昇華され、あなたをスーパーギタリストへと導いてくれるのだ。 |
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あとがき
みなさん、いかがだったでしょうか。このコーナーを見て「よくぞ教えてくれた!店長ありがとう!」と感涙にむせぶ方もいれば、「こーゆーバカとは付き合っておれん。」と当HPとの絶縁を決意した御仁もおられよう。
ま、ひとつ言えるのは「ネタがなくなってきたな」ということかもしれない…。
※本編はあくまで「中古ギターの運び方」であって、新品のウン十万円のアコギ
などに適応するものではありません。
そんな超高級ギターは五月の節句の兜といっしょに陳列ケースにいれておくべき
です。
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